開発ストーリー
基幹システムソフトウェア
新基幹システム「AG1」関連子会社導入プロジェクト
2019年に刷新した東京精密の新基幹システム「AG1~ACCRETECH GLOBAL ONE~」の関連子会社導入プロジェクト。2019年の導入では大手ベンダーが中心となって導入を進めたが、グループ内唯一のシステム子会社としてトーセーシステムズが導入プロジェクトの主幹に手を挙げ、トーセーシステムズとしては初の基幹システム導入プロジェクトが始まった。
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Aさん
プロジェクトマネージャー
2005年入社
AG1プロジェクト全体の管理
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Bさん
開発チームリーダー
2018年入社
開発案件の進捗管理、調整等
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Cさん
プロジェクトリーダー
2017年入社
導入プロジェクトの推進、管理
トーセーシステムズ初の基幹システム導入プロジェクト
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Aさん
私たちは、2019年に刷新された東京精密の基幹システム「AG1」の運用・保守の部分を担っていました。そして、2023年、同じ基幹システムを東京精密グループ企業の東精エンジニアリングに導入することが計画され、トーセーシステムズはこのプロジェクトに大きな挑戦として参画することにしました。
このようなシステムの導入はすべてをベンダーに任せるのが一般的かもしれませんが、東京精密のIT部門を支える会社として挑戦したいという思いがあり、「トーセーシステムズに任せてください!」と手を挙げました。プロジェクトが始動してからは、私はプロジェクトマネジャーとして進捗や予算管理など全体統括をしています。
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私は開発チームのリーダーとして、開発チームメンバーの作業管理、スケジュール作成、管理や他のチームとの調整などを行っていました。開発チームの役割としては、他チームが作成した仕様をもとに、開発ボリュームの工数見積、実際の開発(設計、実装、単体テスト)を行うことです。
特に、既に東京精密に導入済みの基幹システムに対して東精エンジニアリングの要件、仕様を入れる(改変する)ことになるため、これまで使っていた東京精密の機能に影響の出ないよう品質の部分では注意を払って開発作業を行いました。開発期間も決められているため、そのタイトな期間に収められるように注意を払い進めていきました。
Bさん
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Cさん
私はプロジェクトリーダーとして全体のスケジュールを立て、そこからチームごとの個別のスケジュールに落とし込み、各チームの進捗管理を行っていました。
各チームの進捗を確認し、遅れがあれば対策を立て、トラブルが起これば報告を行うといったように、現場とマネジャーの間に入ってプロジェクトを円滑に進めました。
トーセーシステムズとして基幹システムの導入は初の試みであり、また、自身もプロジェクトリーダーを行うのは初めての経験だったので不安がありながらも期待されていると感じ、これまでの経験のすべてをぶつけました。
めぐってきた大きなチャンスを逃さないよう奮闘した日々
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Aさん
このプロジェクトまで、トーセーシステムズでは運用・保守がメインの業務でした。基幹システムを「導入」から任されるのは全くの未経験な領域だったので、「やります!」と手を挙げるときは勇気がいりましたね。また、経営層からは「本当にできるのか」という不安の声もありましたが、予算や業務内容、人員数などで説得し、プロジェクトを任せてもらえるよう尽力しました。
また、このような場面では大手のベンダーに任せておけばいいという空気になってしまっていたのですが、「トーセーシステムズだけで導入プロジェクトを進められる」ということを東京精密グループ全体に見せたいと取り組みました。
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システムリリースに向けて、想定外の作業やトラブルが起こり、その都度や対応内容や人員を調整し、スケジュールを守ることができました。
当時を振り返ると大変でしたが、何とか乗り越えられたことは、エンジニアとしてとてもよい経験になりました。大きなプロジェクトを任せてもらえるチャンスはそう多くはありません。そのチャンスを勝ち取ってくれたプロジェクトマネジャーの熱意に引っ張られたという側面も大きいですね。この経験のおかげで、今現在も自信を持って、プロジェクトに取り組めています。
Cさん
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Bさん
開発チームとしては、全体のスケジュールに影響が出ないようチーム内のスケジュール調整や進捗管理に気を配っていました。
また、私たちは基本的に別のチームが作成した仕様書をもとに作業をします。仕様が複雑になると人によって解釈が異なる場合があるので、認識のズレがないことを確認しながら、必要があれば仕様書を作成したチームとの認識合せの打合せや開発内のレビューを行い、認識のズレが発生して(対応不備が発生して)手戻りとならないよう注意して進めました。
大規模なプロジェクトゆえの「情報共有・把握」と「ルール」の必要性
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Bさん
開発チームの一員として作業をしていると、どうしてもプロジェクトの全体像が見えなくなりがちです。自分の作業だけではなく、今プロジェクト全体でどのような課題があるのかなど、メンバーとの情報共有は欠かさず行うようにしていました。
幅広いキャリアを持つメンバーが在籍するチームなので、若手からベテランまでコミュニケーションを取りやすい環境作りに努めています。毎日の朝会もそのひとつで、作業の進捗や懸念点などを報告してもらい、常にそれぞれの状況を把握するようにしていました。
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今回のプロジェクトはトーセーシステムズだけでも20人ほどが関わる大規模なものでした。大勢でひとつの目的を果たすために、しっかりとルールを作り、全員で徹底しました。
ひとつの作業をとっても、その目的や終わったら次に何をすべきかなどを資料に落とし込んで、可視化するようにしました。
また、課題検討会議、チーム進捗会議、チーム週次会議、プロジェクト週次会議と目的別の会議を設け、問題を曖昧にしたまま進めないということを意識しました。
同じゴールを目指していても定期的にチェックをしないと、それぞれが違う方向へ進んでいってしまうことを学ぶことができました。
Cさん
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Aさん
プロジェクト全体の問題点や課題など経営層へ定期的に報告し大きな問題がないようにプロジェクトを推進しました。
プロジェクトメンバーが問題点や課題など話しにくいことを話しやすいようにするために、普段から誰にでも声をかけて話しかけやすい職場つくりを心掛けています。上下関係やキャリアに関係なく、「何でも言っていいんだ」と思ってもらえていたらうれしいですね。
東京精密グループのITを支える会社としての存在感を示したい
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Cさん
東精エンジニアリングに導入した「AG1」は、現在運用・保守のフェーズに入っていますが、改善点なども上がってきています。
見つかった改善点をクリアすることで、システムの品質向上を目指しています。将来、別のグループ会社に導入することになった時は、今回のプロジェクト推進経験を活かし、トーセーシステムズとしてもう一度基幹システム導入を行いたいと考えています。
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私たちが中心となって進めたことに間違いはないですが、我々が知らない領域もまだまだ多く、ベンダーの力を借りることもありました。今後はベンダーの力を借りず、社内で完結できるように私自身も知識や経験を積んでいきたいですし、教育や研修などの体制も整えていきたいです。
今は、エンドユーザーからの要望を実現するためにシステムを開発したり改修したりしていますが、将来的には要望を聞く前に提案ができるようになりたいです。
Bさん
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Aさん
今回の導入プロジェクトを無事やり遂げたことで、トーセーシステムズとしても経験値が上がりましたし、東京精密からの信頼もより厚くなったという実感があります。
東京精密グループの基幹システムについては、まだ他にも改善できる部分があることも、プロジェクトを通して見えてきました。
また、ベンダーの力を借りることは、コストの面から鑑みて非常に困難になってくると思うので、その部分を社内で内製化することは東京精密グループの成長に大きく寄与すると信じています。
これからも東京精密グループのIT部門を支える縁の下の力持ちとして、存在感を示していきたいです。